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被爆地の祈り 音に乗せ 広響定演 高関健がタクト

 広島交響楽団の第357回定期演奏会が19日、広島市中区の広島文化学園HBGホールであった。広響第3代音楽監督を務めた高関健の指揮で、南区出身の糀場(こうじば)富美子が被爆70年に作曲した「摂氏(せっし)4000度からの未来」など3曲を届けた。

 ベートーベンの「献堂式」序曲で厳かに幕開け。続いて、焦土から復興した古里へのエールを込めた「摂氏4000度からの未来」。惨劇を繰り返すまいという祈りに満ちた曲に、被爆地のオーケストラが特別な感情を乗せた。

 後半は、ショスタコービッチの交響曲第10番。重苦しい出だしから一転、第2楽章は高関のタクトが激しくリズムを刻み、力強い演奏を繰り広げた。複雑に表情を変える曲をダイナミックに奏で、1100人を魅了した。中国新聞社などの主催。(余村泰樹)

(2016年2月20日朝刊掲載)

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