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「当たり前」「信用できぬ」 米海兵隊移転案拒否 岩国市民ら注視

 「拒否は当たり前」「信用できない」。在沖縄米海兵隊1500人の岩国移転について玄葉光一郎外相らが拒否する考えを山口県の二井関成知事、岩国市の福田良彦市長に伝えた13日、地元岩国市の在日米軍再編容認、反対両派はさまざまな受け止め方を見せた。

 米軍再編に協力姿勢の岩国市議でつくる「岩国基地問題に関する議員連盟」副会長でもある松本久次市議会議長は「今以上の負担増は認められず、移転拒否は当たり前の話」とした上で、「福田市長の報告を聞いてから議会としての対応を協議したい」と話した。

 岩国基地への空母艦載機移転を容認する市民団体「岩国の明るい未来を創る会」の原田俊一会長は「既定路線で進むと信じていた。安心した」と述べた。二井知事と福田市長が国への売却を留保する方針を示している愛宕山地域開発事業跡地については「事業の赤字解消などのため、売却するのでは」とした。

 「信用できない」。米軍再編に反対する「住民投票を力に豊かな岩国をめざす会」の松田一志代表は、玄葉外相らの発言を切り捨てた。「具体的な説明もなく、日米政府の思惑で市民はもてあそばれている」

 愛宕山跡地の米軍住宅化に反対する「愛宕山を守る会」の天野一博事務局長は「いくら大臣がそう言っても、米側が強硬に進めれば断れないだろう」と危機感を抱いた。(酒井亨、大村隆)

(2012年2月14日朝刊掲載)

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