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天敵タカでカラスよけ 投石被害相次ぐ広島の平和公園 資料館など屋根に「鳥おどし」

 カラスによる投石被害が相次ぐ広島市中区の平和記念公園で、市は23日、天敵とされるタカの置物2体を原爆資料館と広島国際会議場の屋上にそれぞれ据え付けた。カラスを近づけないためで、本格的な防鳥対策は園内で初めて。

 タカは、臆病なカラスを怖がらせる効果があるという市販品の「鳥おどし」。ポリエチレン製で、広げた翼の長さは110センチ、胴体は60センチほど。実物とほぼ同じ大きさで、鋭い爪、くちばしなどの細部まで模してある。この日、市の委託業者が、来園者からは見えにくい位置に2メートルほどの支柱を立て、空ににらみを利かせるようにつり下げた。設置費は約4万9千円。

 園内では昨秋以降、カラスが石をくわえ地上に落とす被害が続き、広島平和文化センターが注意を促す看板を置いている。12月下旬には広島国際会議場の壁面ガラスが割れ、近くで約150グラムの石が見つかった。

 公園を管理する市緑政課は「効果を見ながら、来園者に被害が出る前に対策を講じていきたい」としている。(和多正憲)

(2016年2月24日朝刊掲載)

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