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日本、北朝鮮と対話を 北東アジア非核化討議 IPPNW地域会議閉会

 核戦争防止国際医師会議(IPPNW)の北アジア地域会議は28日、広島市東区の広島県医師会館で北東アジアの非核兵器地帯化の道筋などを討議した。続く閉会式で、核兵器廃絶へ、医療者が非人道性の研究や発信に携わる重要性を強調する「広島宣言」を採択。2日間の日程を終えた。

 宣言はIPPNW日本支部長の平松恵一・県医師会長が読み上げ、拍手で承認された。核兵器の法的禁止に向けた交渉に保有国が応じていない現状に触れ、被爆国日本に議論のリードを要請。各国に行動を促すため、同会議は「核兵器の使用、核実験、核事故が健康と人生、社会、環境に及ぼす影響の解析に寄与し、世界に発信する」とした。

 先立つ討議では、「一国非核地位」を宣言しているモンゴルの反核非政府組織(NGO)のガルサンジャムツ・セレーター理事が登壇。朝鮮半島の非核化に向け、日本に北朝鮮との対話姿勢を求めた。被爆者医療の記憶の継承へ、広島でケロイド治療や平和運動に尽力した故原田東岷医師らの遺族の講演もあった。

 同会議は核兵器廃絶への一帯の相互理解のため1997年に始まり、ほぼ隔年で開催。次回は2018年にモンゴルでの開催を検討している。(水川恭輔)

(2016年2月29日朝刊掲載)

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