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戦争体験談 絵本で継承 三次の酒河小児童制作

 三次市の酒河小6年生23人が、地元のお年寄りの戦争体験談を基にした絵本「花ちゃんのクレヨン」を作った。「平和を訴え続けたい」と色鉛筆に思いを込めた。

 絵本はB5判、42ページ。絵を描くのが好きな幼児の花ちゃんたちの、五つの戦争体験から成る。原爆投下後の広島の様子、シベリア抑留での過酷な労働…。空襲被害がなかった酒屋地区に陸軍施設の建設計画があったことも紹介している。

 児童は、昨年10月以降、地元の84~88歳の5人から、実際に戦争体験を聞くなどした。「広島で体験した原爆の威力はすさまじかった」「戦地で銃を撃つのは手が震えた」などの声が集まった。

 池本百里さん(12)は「証言には驚いた。多くの人が平和の尊さを見直すきっかけにしたい」と話す。同じく6年生で作った、地元の古墳や遺跡を紹介する冊子と合わせ、計15部を県立歴史民俗資料館(小田幸町)に贈った。随時、増刷する。

 6年生は22日に卒業。同校は「今後も地域の人の戦争体験継承に力を入れたい」としている。(重田広志)

(2012年3月27日朝刊掲載)

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