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2016参院選やまぐち 世論調査 山口県内詳報 

上関原発 64%反対 争点 経済・年金が上位

 10日投開票の参院選について中国新聞社が実施した山口県内の電話世論調査で、中国電力が上関町で計画する上関原発建設の是非について64・4%が反対姿勢を示し、憲法9条の改正では反対姿勢が賛成姿勢を上回った。最も関心のある争点は「経済政策」と「年金や医療など社会保障」が上位に並んだ。(村田拓也)

憲法9条改正

 安倍晋三首相(衆院山口4区)は在任中の憲法改正を目指しており、9条改正の必要性も指摘する。9条改正の賛否では「反対」が26・4%で最多。「どちらかといえば反対」の17・7%を合わせると44・1%で、「賛成」21・3%、「どちらかといえば賛成」17・1%の合計38・4%を5・7ポイント上回った。

 前回調査は賛成姿勢43・8%(「賛成」19・1%、「どちらかといえば賛成」24・7%)、反対姿勢40・4%(「反対」20・5%、「どちらかといえば反対」19・9%)。反対姿勢が3・7ポイント増え、5・4ポイント減った賛成姿勢を逆転した。

 支持政党層別で反対姿勢は、社民党93・3%▽共産党88・1%▽民進党72・1%▽公明党45・9%▽自民党35・1%―など。無党派層は68・5%。賛成姿勢は、改憲草案で自衛権を明記し「国防軍」を保持するとする自民党で50・6%だった。

 男女別では、男性で賛成姿勢が51・0%、女性で反対姿勢が50・7%と異なった。世代別でみると、賛成姿勢は18~29歳の54・0%が、反対姿勢は50代の51・7%が最も高い。

上関原発

 上関原発建設計画の是非は「反対」が43・7%で最多。「どちらかといえば反対」の20・7%と合わせると64・4%で、「賛成」9・3%、「どちらかといえば賛成」12・0%の合計21・3%の3・0倍となった。

 前回調査は、反対姿勢が67・0%(「反対」43・8%、「どちらかといえば反対」23・2%)、賛成姿勢が22・8%(「賛成」8・5%、「どちらかといえば賛成」14・3%)。反対姿勢が2・6ポイント、賛成姿勢が1・5ポイント、それぞれ減少した。「分からない・無回答」が4・3ポイント増の14・4%だった。

 11年3月の東日本大震災と福島第1原発事故から、間もなく5年4カ月となる。今月26日に上関町の離島、八島の一部が半径30キロ圏内の四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)が再稼働する見通しとなるなど、安倍政権が原発活用の方針を鮮明にする中で、原発新設には根強い反対があるとうかがえる。

 反対姿勢を男女別でみると、女性が70・4%と男性の57・3%を上回る。地域別では周南3市が73・5%と最も高く、上関町を含む県東部が68・2%と続く。支持政党層別は、自民党59・1%、公明党51・6%と与党支持層で低い。民進党95・3%など野党支持層では高い傾向にある。

争点

 参院選の争点として考えられる九つの政策課題を示し、最も関心のあるテーマを一つだけ選んでもらった。トップは「経済政策」で25・7%。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の是非を巡って与野党が激しい論戦を交わしており、関心の高さが浮かんだ。

 僅差の2位が「年金や医療など社会保障」で25・2%。「消費税など税制」10・6%、「子育てや教育問題」8・9%、「憲法改正」8・8%、「基地問題を含めた外交・安全保障」7・6%などと続いた。

 男女別でみると、男性は「経済政策」の34・8%、女性は「社会保障」の26・0%がそれぞれ最多。世代別で最上位は、18~29歳は「税制」23・9%、30代は「子育てや教育問題」30・4%、60代は「社会保障」31・5%となり、違いが出た。

 支持政党層別では、自民党の30・0%、公明党の36・1%は「経済政策」を選択。民進党の25・0%、共産党の23・0%が「憲法改正」を選んだ。無党派層では「社会保障」が33・2%でトップだった。

(2016年7月7日朝刊掲載)

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