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もんぺ再現 戦時に思い 「この世界の片隅に」展で呉の清水ケ丘高生 

「平和考えるきっかけに」

 広島県呉市幸町の市立美術館で開催中の特別展「こうの史代 この世界の片隅に」(11月3日まで)に合わせ、清水ケ丘高(呉市青山町)の生徒2人が古い着物をもんぺに作り直し、会場で披露した。(今井裕希)

 いずれも2年生の石川由茉さん(16)と久留間香織さん(17)が、えんじと薄い藍色のもんぺを着て会場を歩いた。その後、2階ロビーで完成までの過程を発表した。石川さんは「腰ひもがはずれないように細かく縫うのが難しかった」などと苦労した点を話していた。

 こうのさんの原作漫画の中の主人公すずは、農作業や家事をするシーンで着用している。腰まわりをひもで結び、足首のところを絞ってある動きやすい作業用のズボンで、戦時中は女性の一般的な服装だった。

 石川さんたちは、古い着物3着を3種類のもんぺに変えた。すずがもんぺを作る場面を参考にし全て手縫いで完成させた。久留間さんは「戦時中の生活に触れ、平和な日常のありがたさを考えるきっかけになった」と振り返っていた。

(2016年8月8日朝刊掲載)

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