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艦載機 訓練空域設定へ 山陰沖・四国沖 岩国移転巡り国交省

 在日米軍再編で2017年ごろまでに計画されている米海軍厚木基地(神奈川県)から岩国市の米海兵隊岩国基地への空母艦載機59機の移転を巡り、国土交通省は11月から、山陰沖と四国沖の2カ所に艦載機の訓練が可能な空域を設ける。訓練空域の設定は、移転条件の一つとなっていた。

 いずれも自衛隊が特別な訓練で使う既存の空域内とし、米軍と自衛隊、民間の3者が必要な時だけ使用できる「臨時留保空域」を国内で初めて設定した。国交省航空局が一元管理し、空域を飛行する場合は、範囲や時間帯の事前申請と同省の承認が必要となる。航空機の交通量などに照らして使用方法の見直しを図れるよう、期間はことし11月10日から18年3月末までとしている。中国四国防衛局が今月1日、市に報告した。

 中四国周辺は米軍と自衛隊の専用空域や民間の航空路が集中。同省空域調整整備室は「米軍専用の空域を新たに設けるのは難しく、民間航空機の安全確保を考えて、米軍、自衛隊と調整した」と説明している。岩国基地と訓練空域を結ぶ経路については、一定の高度で決められたルートを往復するよう米軍側と協議を続けている。

 艦載機移転は06年に日米が合意。移転の詳細な時期は、あらためて国から県市に伝達されるとみられる。(野田華奈子)

(2016年9月13日朝刊掲載)

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