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甲状腺がん確定135人 福島原発事故影響 18歳以下検査 県検討委「放射線 考えにくい」

 東京電力福島第1原発事故の健康影響を調べている福島県の「県民健康調査」検討委員会が14日、福島市内で開かれ、2巡目の甲状腺検査で、甲状腺がんと確定したのは前回(6月)報告より4人増の34人との報告があった。がんの疑いは25人。1巡目検査と合わせると、がん確定は計135人、疑いは計39人となった。座長の星北斗・県医師会副会長はこれまで同様、「放射線の影響は現時点で考えにくい」としている。

 甲状腺検査は、事故時に18歳以下だった約37万人を対象に、2011年度に1巡目を始め、約3年間実施した。2巡目の検査は14年度に始まり、対象者の約7割に当たる約27万人が受診した。2巡目で、がんと確定するか、疑いがあるとされた59人のほとんどが1巡目の検査では「問題ない」と診断されていた。

 また、この日の検討委では、不安を助長するなどとして検査縮小を求める声が県内で出ていることを踏まえ、委員から「被曝(ひばく)の影響を判断するためにも、これからが大事だ」などと、縮小に慎重な意見が相次いだ。

 県外転出の多い18~22歳の2巡目の受診率が25・5%にとどまっているため、「受診の必要性を県民にはっきりお願いすべきだ」との意見も出た。星座長は「きょうで結論を出すつもりはなく、今後も議論したい」と述べた。調査の在り方は引き続き検討していくことを確認した。

 甲状腺検査を巡り、県小児科医会は8月下旬、検査を受けた子どもや一般県民に健康不安が生じているとして、検査規模の縮小を含む見直しを、県に要望していた。(馬場洋太、金崎由美)

(2016年9月15日朝刊掲載)

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