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広島市立大平和研 教授に直野氏 被爆の記憶・継承を研究

 著書「原爆体験と戦後日本」「『原爆の絵』と出会う」(いずれも岩波書店)をはじめ、被爆の記憶とその継承を巡る研究で知られる九州大大学院准教授の直野章子さん(44)=写真=が10月、広島市立大広島平和研究所教授に就任する。

 直野さんは兵庫県西宮市出身。米アメリカン大に進学し、スミソニアン航空宇宙博物館の被爆資料展示が中止に追い込まれた1995年、同大に原爆展を提案し実現に導いた。

 99年から翌年にかけ、広島平和研究所の協力研究員として広島で調査研究し、2002年、カリフォルニア大サンタクルーズ校で博士号を取得。05年から九州大の教壇に立ってきた。NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)の理事も務めている。

 祖父と母が広島で被爆し、祖父は1カ月後に亡くなった。直野さんは「広島は私にとって、単なる職場や研究対象ではあり得ない地。さまざまなつながりを生かして研究を深めたい」と話している。(道面雅量)

(2016年9月26日朝刊掲載)

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