×

ニュース

オスプレイ 先行搬入に反対 岩国市議会 

 岩国市議会は22日、本会議を開き、米海兵隊岩国基地への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの先行搬入に反対する意見書案を可決した。米軍再編に協力姿勢の会派が反対姿勢の意向も踏まえて意見書案をまとめたが、協力姿勢の市議3人は採決前に退席した。

 意見書案は、相次ぐ墜落事故で安全性の問題が指摘されていることを挙げ、「市民の安全な生活を守る立場から、オスプレイの岩国基地への陸揚げ・一時駐機に強く反対する」とし、国に「誠意ある対応」を求めた。

 再編に反対姿勢の市議2人が「沖縄県民がオスプレイ配備に強く反対している。岩国市が容認すれば沖縄や全国で訓練が行われ、大きな被害をもたらす」などと討論。協力姿勢の市議は「現時点では安全が担保されていない」と述べた。

 全32議員の中、協力姿勢の3人が採決前に退席。1人は「事故原因など国はしっかり説明すべきだ。(市議会は)冷静な判断が必要だ」と討論で述べ、他の2人は「日米安全保障条約上、最新鋭の航空機配備が必要」「安保政策に地方議会が深入りすべきではない」と取材に説明した。

 意見書案の可決について、福田良彦市長は取材に「現段階でオスプレイの安全性に不安があるという意思表示と受け止めている。私と同じ思いだ」と答えた。(酒井亨)

北広島町議会も「怒り込め抗議」

 広島県北広島町議会は22日の定例会本会議で、米海兵隊岩国基地(岩国市)への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの先行搬入と飛行訓練に反対する意見書を、全会一致で可決した。

 意見書では、米国で今月起きたオスプレイ墜落事故を受け「『安全性は確保されている』などという(日米両政府の)説明は到底通用しない」と指摘。中国山地の同町は米軍機の低空飛行で大きな被害を受けているとして、「日米両政府に激しい怒りを込め抗議する」としている。

(2012年6月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ