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「国や米軍の回答待つ」 F35配備 岩国市長 安全性 前提覆る

 岩国市の米海兵隊岩国基地に配備計画のある最新鋭ステルス戦闘機F35Bが10月に米国内で起こした事故を受け、福田良彦市長は10日、「情報量が少ないので、国や米軍からの回答を待ちたい」と述べた。

 東京出張から戻った岩国錦帯橋空港で報道陣に答えた。福田市長は「安全性に大きな懸念がないという判断のもとに承認したが、その前提が覆った」と説明。事故の詳細な内容や原因を国側から聞いた上で「懸念が払拭(ふっしょく)されず、十分な対策がなされない場合には了承できない」と、状況次第では判断が変わる可能性も示唆した。

 10月27日の事故発生から10日以上たった8日夕に国が事故情報を把握した点は、「米本土の事故であり、(把握が)遅いのか早いのかは今後明らかになると思う」とした。

 米大統領選では、日本に米軍の駐留経費の負担増を求める考えを示した共和党のトランプ氏が勝利した。福田市長は「日米同盟の在り方にも言及されており、政策や日米の動向を注視したい。米軍再編への影響にも非常に関心がある」と述べた。(野田華奈子)

反対派「白紙撤回を」 市に申し入れ 共産党は県に要請

 米軍最新鋭ステルス戦闘機F35Bの事故発覚を受け、基地の機能強化に反対する4団体でつくる「配備反対市民集会実行委員会」は10日、配備容認の白紙撤回を岩国市に申し入れた。

 岡村寛実行委員長たちが市基地政策課に文書を提出し、「安全対策のお粗末さが出た」などと批判した。高田昭彦基地政策担当部長は「国から事故の詳細などの説明がない。現時点で白紙撤回はない」と回答。一方で、「安全性の懸念が生じ、市民生活への影響が考えられれば認めない判断もある」とした。

 県議会の共産党(2人)もこの日、村岡嗣政知事宛ての要請書を県に提出した。「防衛省の説明をうのみにしてきた県の、国言いなりの姿勢が厳しく問われる」と主張。政府に対し①F35Bの配備計画の白紙撤回②機体の安全性に関わる詳細な情報提供―の2点を求めるよう訴えている。(野田華奈子、村田拓也)

(2016年11月11日朝刊掲載)

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