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避難家族「保養」の日々刻む 原発被災地離れ心身癒やす 三次の実行委 写真展や上映会

 福島県の福島第1原発の事故による影響を心配する現地の親子たちが、地元を離れて心身を癒やす「保養」の取り組みを紹介する写真展が24日、三次市十日市南の十日市きんさいセンターで始まった。27日まで。最終日には、子どもの被曝(ひばく)を案じる母親たちを追った記録映画「小さき声のカノン」の上映会もある。(松本大典)

 原発に疑問を抱く市民有志でつくる実行委員会が企画。写真展は、実行委のメンバーが2012年から毎年夏に同市内に受け入れている福島県飯舘村の親子たちの短期保養の様子など約20点が並ぶ。

 原発事故後、外で思い切り遊べず、安心して地元野菜を口にできない子どもたちが、江の川でのカヌーやピザ作りを生き生きと楽しむ姿を紹介。事故後に全村避難を強いられた村の現状などの説明も添えている。写真展は無料。

 「小さき声のカノン」は、福島とチェルノブイリ原発事故の被災地の母親たちを追い、保養の効果にも目を向けた鎌仲ひとみ監督の作品。27日午前10時と午後2時の計2回上映する。一般前売り千円、当日1300円、高校生500円、中学生以下無料。

 実行委の世話人で三次市和知町の農業菅野正博さん(61)は「事故から5年以上たって原発再稼働の動きもある中、みんなに当事者意識を持ってもらいたい」と話している。実行委Tel090(2290)5428。

(2016年11月25日朝刊掲載)

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