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艦載機移転開始時期方針 岩国市長「国説明を」 山口県知事 年明け発表に戸惑い

 米海兵隊岩国基地(岩国市)への空母艦載機移転を「ことし後半」に始め、日本に初めて配備するE2D早期警戒機の訓練を岩国基地で2月から実施するとの方針を、米海軍が発表した5日。岩国市の福田良彦市長が市役所で、村岡嗣政知事が山口県庁で、それぞれ記者会見した。主な発言は次の通り。

岩国市長

  ―移転を容認していない中での発表です。
 今後、日米間で詳細な調整があると聞いており、それを踏まえてしっかりと地元へ説明してほしい。国には政務三役などによる説明を要請している。

  ―E2Dは容認の判断をしないのですか。
 配備前訓練が移転に当たるかどうかを国へ確認したが、「運用の一環であり、移転の始まりではない」との回答があった。機種更新に伴う運用の一環で、「了とする、しない」との判断にはならない。プロペラ機なので騒音の面でも大きな影響はないだろう。

  ―E2Dが陸上空母離着陸訓練(FCLP)などをした場合の対応は。
 訓練の内容は知り得ていない。市民の不安を拭い去ることができるように、さまざまな対応を国へしっかりと求めていく。

知事

  ―率直な感想は。
 移転の開始時期がより具体的になったが、おおざっぱな内容だ。国からの具体的な説明をしっかり聞きたい。

  ―いつまでに容認の判断をしますか。
 地元が求めている安心安全対策と地域振興策を満たすことが容認の条件だ。国が環境を整える必要がある。こちらがスケジュールを気にすることはない。

  ―昨年末に最新鋭ステルス戦闘機F35Bの配備計画を容認したばかりです。
 F35Bの配備自体がこれからという年明け早々に、また、こういった話が出たことに、少々戸惑いもある。

  ―E2Dの訓練はどう受け止めますか。
 短期間の訓練で、移転ではないと理解している。ずっと岩国基地にいれば先行移転とも受け止められるが、これまでにもあった一時的な訓練と考える。

(2017年1月6日朝刊掲載)

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