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平和文化村 本格始動へ 三次で今春 NPO法人化 国内外の若者招き研修

 前広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさん(69)が三次市甲奴町で進めてきた、平和を考える活動拠点が今春にもNPO法人「ピースカルチャービレッジ」(平和文化村)として本格始動する。国内外から若者を招き研修する計画を立て、平和をつくるコミュニティーづくりを目指す。(山本祐司)

 リーパーさんは2015年1月に甲奴町の古民家に引っ越しし、構想を練ってきた。NPO法人化の計画では、この古民家を「キャンパス」に見立てて研修を実施する。米国やアフリカで活動する非政府組織(NGO)とも協力。南スーダンをはじめ紛争地域などから5~10人程度の若者を受け入れ、10日~2週間のワークショップを開く。

 リーパーさん自身も、エネルギーを過度に使わず暮らすことで資源を巡る争いに歯止めをかける「平和文化構想」について教える。畑で野菜を育てたり近くの山を散策したりするなど、持続可能な暮らし方も提案する。

 住民向けに英会話教室も開き、地元と海外の若者がコミュニケーションを図れるような土壌を育む。ウェブサイトを設けて活動を紹介するとともに、企業や団体などに協力を求める。活動資金は寄付のほか、会員からの会費などを見込む。

 NPO法人設立については、参加メンバーが昨年12月、事業計画や予算などをまとめた。米国に一時帰国していたリーパーさんはインターネットのビデオ電話で参加し、代表理事に就くことが決まった。必要書類を昨年末に広島県に提出。3月にもNPO法人の認証を得る見込み。

 リーパーさんは「国籍や宗教といった違いを乗り越えて、誰もが平和は大切だと学べる場をつくりたい。海外と日本の人々が知り合うことで、互いに創造性を高め合う効果も生まれれば」と話している。

(2017年1月9日朝刊掲載)

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