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松濤園(下蒲刈)資料館 屋根を改修 記憶遺産申請中 朝鮮通信使絵巻など保管

 呉市は1月中旬から、呉市下蒲刈町の文化施設松濤園(しょうとうえん)内にある朝鮮通信使資料館「御馳走(ごちそう)一番館」の屋根の一部をふき替える。(今井裕希)

 松濤園は4棟からなり、うち資料館には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に登録申請している朝鮮通信使の関連資料の中で唯一、通信使が海を渡る姿を描いた絵巻物「朝鮮人来朝覚 備前御馳走船行烈図」が保管されている。

 資料館は朝鮮通信使の資料を展示する全国初の施設として1994年に開館した。L字型の上屋のうち、海側は富山県砺波(となみ)地方から明治中期の「有川邸」を移築した。

 商家造りで、屋根約320平方メートルはクリの板を重ね、石で押さえている。老朽化と台風被害で傷みが目立っていた。開館以来、初の大規模改修となる今回は、板を全て新しく取り換える。3月下旬の完成を目指し、事業費は約2900万円。

 足場を組む作業のために1月23~25日は休館。それ以外は通常通り営業する。休館日は毎週火曜日。

 同園を指定管理する蘭島文化振興財団の柴村隆博事務局長は「ことし秋にも記憶遺産に認められそうだ。きれいな屋根で安心して見学客を迎え入れたい」と話している。

(2017年1月11日朝刊掲載)

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