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広島市医師会の原爆殉職碑 愛称は「祈りの手」

 広島市医師会は、中区小町の平和大通り沿道に立つ市医師会原爆殉職碑の愛称を今春募り、「祈りの手」と決めた。命名者は西区の4歳児だが、詳しい連絡先が分からないため、お礼を伝えることができない。長崎孝太郎会長は「碑に込めた願いを伝える良い愛称に決まった。ぜひ名乗り出てほしい」と呼び掛けている。

 原爆投下時に市内で働いていた医師や看護師たち2370人のうち2168人が被爆。うち医師は298人中60人が直接被爆して殉職した。碑は、医療従事者の苦難と平和への願いを受け継ぐため、1960年に建立した。高さ12メートルのコンクリート製。両手を合わせたデザインで、地元の原爆慰霊碑としては最大規模という。

 近年は、建立時の関心が薄れ、「あの大きな碑は何か」との問い合わせが市医師会にある。碑に込めた願いを再び広めようと、ことし5~6月に愛称を募集。市医師会の役員たちが、372件の応募の中から5月のひろしまフラワーフェスティバル(FF)の会場で幼児が応募用紙に書き込んだ名前を選んだ。用紙には、名字も電話番号などもなかった。

 市医師会Tel082(232)7321。(衣川圭)

(2012年7月30日朝刊掲載)

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