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連載・特集

「負の遺産」今なお抱え 米核実験44回 マーシャル諸島・エニウェトク

 米国が1946~58年に67回の核実験をした中部太平洋の国、マーシャル諸島。第五福竜丸など日本のマグロ漁船が被曝(ひばく)した水爆実験ブラボーがあったビキニ環礁が有名だが、約3分の2に当たる44回の実験はエニウェトク環礁と近海で行われた。エニウェトクの爆発規模の総量は約3万2千キロトン、広島原爆(16キロトン)の約2千発分に相当する。

 ビキニが現在も居住禁止であるのに対し、エニウェトクは除染された一部のエリアへ島民が80年以降に戻った。実験が残した「負の遺産」を今なお抱えつつ、生活を営んでいる。(写真と文・明知隼二)

(2017年2月25日セレクト掲載)

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