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「核の恐怖を共有」 平和公園でダンス

 核の恐怖をテーマにしたダンスの広島公演を8月に控え、府中市出身の被爆2世でダンス教室主宰小谷ちず子さん(59)=兵庫県西宮市=ら出演者が4月から毎月1回、平和記念公園(中区)を訪れ、即興で踊っている。

 公演は、18日午後5時から中区加古町のアステールプラザであり、兵庫や大阪にある小谷さんの教室に通う小学生から大人まで計24人が出演。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故をモチーフにした踊りで幕開けする。

 バイオリンやピアノ演奏を挟み、広島、長崎の原爆を題材にしたダンスも披露。被爆後に生まれた命を描いた詩「誕生」の朗読や、佐々木禎子さんがテーマの「折り鶴の空」の歌に合わせて踊る。

 出演者は被爆者の痛みや苦しみを酌み取ろうと、平和記念公園で踊り、本番への準備を重ねている。同志社大3年松本幸さん(20)=大阪府寝屋川市=は「この場に立つだけで原爆を忘れてはいけない気持ちになる。この思いを観客の方と共有したい」。小谷さんは「亡くなった方の苦しみの何分の一でも感じ取りたい。被爆も被曝(ひばく)もあってはならないとの強い思いを伝えたい」と意気込む。

 入場料2500円。うち千円は福島の子どもの支援のために使う。事務局Tel090(5647)0751。(増田咲子)

(2012年7月30日朝刊掲載)

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