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中沢啓治さんの遺影登録 広島祈念館 「ゲン」世界で共感

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は16日、原爆投下後の広島を生きる少年を描いた漫画「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さん(2012年に73歳で死去)の遺影を登録したと発表した。館内で公開している。

 中沢さんは6歳の時、爆心地から約1・2キロの神崎国民学校に登校する途中に被爆。自宅の下敷きになった父親、姉、弟を亡くし、生まれたばかりの妹も戦後の混乱期に失った。漫画家となり、手掛けた自伝的作品「はだしのゲン」は世界で共感を呼び、英語やロシア語など約20カ国語に翻訳されている。

 遺影は中沢さんの妻ミサヨさんから13日に郵送で届いた。亡くなる直前に雑誌の取材を受けた際に撮影された1枚という。館内では中沢さんの被爆証言映像を見られる。

 同館は原爆死没者の名前・遺影や体験記を収集し、公開している。16日時点で名前・遺影は2万1600人分が登録されている。(長久豪佑)

(2017年3月17日朝刊掲載)

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