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被爆者の声 力強さ訴え 核禁止条約交渉前に講演 広島市南区

 米ニューヨークで27日に始まる「核兵器禁止条約」の制定交渉会議を前に市民の役割を考える講演会が16日、広島市留学生会館(南区)であった。昨年、非政府組織(NGO)企画の被爆者の船旅に参加した西区の森川高明さん(77)が、広島の被害を発信して機運を醸成するよう訴えた。

 森川さんは約40人を前に、船旅で訪れたオランダの外相に原爆投下後の広島の壊滅ぶりを伝え、関心を呼び起こした様子を紹介。同国が米国の核に安全保障を頼りながらも、禁止条約の交渉開始を定めた国連決議に反対せずに棄権した経緯に触れ、「被爆者の訴えの力を感じた。次世代への記憶の継承が大切だ」と話した。

 森川さんは旧中島地区(現平和記念公園)で育ち、疎開後に原爆の「黒い雨」を浴びた。(水川恭輔)

(2017年3月17日朝刊掲載)

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