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核兵器禁止条約 「ヒバクシャ」の文言を 広島 明治大の山田講師が講演

 27日に米ニューヨークの国連本部で制定への交渉会議が始まる「核兵器禁止条約」をテーマにした講演会が18日、原爆資料館(広島市中区)であった。国際反核法律家協会(IALANA)理事の山田寿則・明治大兼任講師(国際法)が、交渉へ至る近年の経緯などを解説し、条約に「ヒバクシャ」の文言を入れる意義を説いた。

 山田兼任講師は、核兵器の非人道性への国際的な認識の高まりで交渉に至ったものの、保有国が条約制定に反発している現状を説明。制定を推進する非政府組織(NGO)が提案している条約像を挙げ、「非保有国だけで、核兵器の使用や保有などあらゆることを禁じる方向が現状では有力だ」と指摘した。

 その上で、保有国が当初から参加しない場合は条約の実効性が課題になるとした一方、条約が国際的な社会規範として根付けば、核兵器の廃絶を促進しうると指摘。「条約に広島、長崎をはじめとする『ヒバクシャ』の言葉が入れば、規範の役割が大きく増す」と強調し、被爆地からの後押しを呼び掛けた。

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の主催で、約60人が参加した。(水川恭輔)

(2017年3月19日朝刊掲載)

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