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殿敷侃「逆流」の創作回顧 被爆体験や環境破壊テーマ 広島市現代美術館で開幕

 広島市中区出身の美術家、殿敷侃(とのしき・ただし)(1942~92年)の創作活動の軌跡をたどる「殿敷侃 逆流の生まれるところ」展が18日、南区の市現代美術館で始まった。同館と中国新聞社の主催で、5月21日まで。

 殿敷は広島で入市被爆し、父が被爆死、母も原爆症で亡くした。きのこ雲を10枚のシルクスクリーンで表現した「ATOMIC BOMB」、不気味な焼け野原を背景に描いた油彩「自画像の風景」など、被爆体験と向き合った作品が並ぶ。

 後半生は消費社会や環境破壊に目を向け、廃棄物や漂流物を使ったインスタレーション(空間構成)を発表した。実作品が残っていない晩年についても、記録映像や資料を掘り起こして展示。約350点を通し、全貌に迫っている。(上杉智己)

(2017年3月19日朝刊掲載)
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