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被爆前後の画像鮮明に 広島の原爆資料館が公開

 原爆資料館(広島市中区)は、米シンクタンクのスティムソンセンターから寄贈を受けた被爆前後の広島の航空写真9点を、同館ホームページ(HP)の「平和データベース」で公開した。市立大(安佐南区)の協力で、約1億5千万画素の高解像度データに加工。国内外での研究などに役立ててもらう。

 米軍が偵察目的などで撮り、当時の米政権幹部が原爆の威力を確認するためにも使われたとされる。1945年4月以前の撮影で、駅や橋など30カ所に番号がふられた1枚や、壊滅した旧中島地区(現平和記念公園)一帯を捉えたカットがある。

 資料館は昨夏に画像データを取得。元の写真が大きく、解像度を高められるとみて、市立大芸術学部の橋本健佑・写真映像教務員(32)に依頼した。加工したデータでは、地上の様子を分析することができる。例えば被爆1カ月後に中区吉島地区上空から撮られた1枚を拡大すると、旧日本軍の飛行場に小さな飛行機が止まっているのが分かる。

 同館は「高解像度にすることで新たな発見が可能になる。今後も活用を検討したい」としている。(長久豪佑)

(2017年3月20日朝刊掲載)

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