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観光案内最多4万7880人 広島市ボランティア協 16年度

「オバマ効果」関心高まる

 広島市観光ボランティアガイド協会の案内客数が2016年度に過去最多の4万7880人に達した。5月のオバマ米大統領(当時)の広島訪問の翌月から毎月、前年超え。ガイドは「オバマ効果」に乗り、平和への願いを広めようと意気込む。

 協会は、平和記念公園や広島城、縮景園など6コースのガイドを設定。「オバマ氏訪問後、平和記念公園の依頼が増えた」としており、これまで最多だった被爆70年の15年度(4万1605人)を6275人上回った。

 同公園を案内するガイドたちは、オバマ氏が「ヒロシマ演説」をした原爆慰霊碑前の位置をよく尋ねられるといい、手持ち資料に当時の写真を載せて確かめられるような工夫も。オバマ氏が市へ寄贈した折り鶴の展示に関する質問も多い。

 訪問から1年の先月27日は、ガイド16人が手分けして修学旅行生や一般客計約170人を案内。群馬県渋川市の中学3年の1グループを担当したガイドは演説場所に導き「ここでオバマ氏が『ヒロシマ演説』を世界に発した。みなさんも平和を発信する人材に育って」と呼び掛けた。今井ももさん(14)は「1年前にテレビで演説を見て感動した。同じ場所に立ててうれしい。平和について学んでいきたい」と語った。

 協会は、市など主催のガイド養成講座の修了者たちで00年10月に設立。現在、35~83歳の124人が所属する。ガイド1人につき交通費千円の負担で案内している。持永芳孝会長(74)は「被爆地への理解を深めてもらえるようなガイドに努めたい」と話している。(森戸新士)

(2017年6月20日朝刊掲載)

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