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IPPNW 海外医師ら被爆学ぶ 広島 世界大会きょう開幕

 第20回核戦争防止国際医師会議(IPPNW)世界大会に参加する海外の医師たちが23日、開催地の広島市に相次いで到着した。24日開幕の大会を前に、中区の原爆資料館や平和記念公園を訪れ、被爆の実態に触れた。

 IPPNW日本支部が企画した原爆資料館の見学ツアーにはインド、ネパール、カナダの計8人が参加。焼け焦げた三輪車や放射線の影響を解説するパネルなどに見入った。

 インドの外科医シャティアジート・シンさん(62)は「悲惨な被爆資料を見て平和の尊さを再認識した。若い世代に伝えたい」と力を込めた。南区の放射線影響研究所(放影研)を訪れる医師もいた。

 この日は、世界大会を前にIPPNWの国際評議員会が中区の広島国際会議場であった。各国の評議員約50人が核軍縮や地雷廃絶などのプロジェクトの進展状況を報告した。

 被爆地広島で23年ぶりに開かれる世界大会は24~26日、広島国際会議場である。国内外41カ国から約470人の医師や研究者が集い、核兵器廃絶に向けて幅広く意見を交わす。(山本堅太郎)

ビザ発給拒否 政府に抗議検討 国際評議員会

 IPPNW世界大会に参加する予定だったナイジェリアの医師9人が日本政府からビザの発給を拒否された問題で、IPPNW国際評議員会は23日、政府に抗議するかどうか検討を始めた。

 広島市中区の広島国際会議場であった会合に出席した柳田実郎実行委員長によると、各国の評議員から「開催国が参加者のビザ発給を拒否した事例はないのではないか」などと不満の声が相次いだという。

 拒否されたメンバーのオナジ医師は、大会最終日の26日の全体会議で軍縮問題について話す登壇者の一人だった。柳田実行委員長は「被爆地から世界へ核兵器廃絶を訴える機運をそぐ事態だ」と残念がった。

(2012年8月24日朝刊掲載)

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