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劣化ウラン 保管倉庫建て替えへ 三井化学

 三井化学は28日、爆発事故を起こした山口県和木町の岩国大竹工場で会見し、工場内にある劣化ウランの保管倉庫を建て替えるなどの安全対策を明らかにした。また、和木町で住民説明会を開き、倉庫の建て替え方針や、事故原因、再発防止策などを報告した。

 三井化学によると、現在の倉庫は鉄骨平屋で一般住宅から約50メートルしか離れていない工場西端に1969年に建てられた。新しい倉庫は工場内の海側へ約350メートル移して住宅から遠ざけるほか、南海トラフの巨大地震にも震度7を想定した建物にする。最大3メートルの津波でも浸水しない構造にする。今後1年以内をめどに整備する方針という。

 工場には200リットルドラム缶3379本の劣化ウランがあり、事故に驚いた住民が「周辺が汚染されるのでは」という不安の声を上げていた。原茂執行役員工場長は「現施設でも安全だが、住民により安心してもらいたい」と建て替え理由を説明した。同様に劣化ウランを保管する大阪府高石市の大阪工場の施設も耐震強化する。

 この日の和木町での住民説明会では、同社幹部が倉庫建て替え方針のほか、事故原因や再発防止策などを説明し、理解を求めた。説明会は29日は大竹市でもある。(堀晋也)

(2012年8月29日朝刊掲載)

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