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オスプレイ 防衛相、事故原因伝える 山口知事・岩国市長に

 森本敏防衛相は30日、山口県庁で山本繁太郎知事と、岩国市役所で福田良彦市長とそれぞれ会談し、米海兵隊岩国基地に12機が陸揚げされている垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故原因や政府の分析を説明した。山本知事、福田市長とも「きょうの段階では判断できない」とし、試験飛行などへの対応について回答を留保した。

 森本防衛相は山本知事との会談で、4月にモロッコで墜落した事故について「人的要因が大きい」とする政府独自の報告書を説明。日米両政府がオスプレイの安全性を確認し、試験飛行を実施した後に、政治家や専門家、地元自治体の首長たちを対象に岩国でオスプレイに体験搭乗してもらう考えも示した。

 会談後、山本知事は記者団に「説明は理解できたが、直ちに県民の安全につながるところまではいっていない」と述べる一方「政府は安全性の確認に真摯(しんし)に対応している」とも話した。

 森本防衛相から同様の説明を受けた福田市長は「信頼の置けるものと受け止めた」と一定の理解を示し、配備に反発を強める沖縄との温度差が浮き彫りになった。また「(6月の)米フロリダ州での事故の調査報告を聞かなければ安全性についての判断はできない」との考えを示した。

 森本防衛相は、米フロリダ州での事故について政府による分析や検証を行い、9月上旬にも再度、山口県入りする方針。試験飛行や沖縄配備の時期などは「日米合同委員会の協議や政府として安全性を確認するという決定を行った後に飛行を開始する」と述べ、明言を避けた。(酒井亨、金刺大五)

(2012年8月31日朝刊掲載)

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