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原爆・平和報道に評価 中国新聞読者と報道委 戦後写真企画「継続を」

 中国新聞の報道の在り方について有識者が提言する「読者と報道委員会」の第32回会合が14日、広島市中区の中国新聞ビルであった。ことしの原爆・平和報道や、日本新聞協会の2012年度新聞協会賞の受賞が決まった連載写真企画「命のゆりかご~瀬戸内の多様な生態系」などについて、委員3人が総合編集本部幹部や担当記者と意見を交わした。

 委員は、弁護士の大本和則氏(61)、広島大大学院教授の川崎信文氏(60)、ライフスタイル研究所代表の船崎美智子氏(55)。北村浩司総合編集本部長の司会で議論した。

 核とどう向き合うかを考えた連載「揺らぐ核の火」では、「核の平和利用を正面から捉え、被爆地が悩む姿を見て取れた」などと評価。「原発の是非を公平な立場で見ようとしていたが、社としての考えも知りたい」との注文も出た。

 原爆の惨禍から立ち上がる広島を戦後の写真で語る企画「復興の風」について、引き続き写真を集め、被爆体験と併せて報道するよう求める声があった。

 新聞協会賞(編集部門・写真映像部門)に決まった「命のゆりかご」には、「写真から生命の素晴らしさを感じた」などと評価の声が相次いだ。「読者を巻き込み、環境保全について考える仕掛けをつくってほしい」との提言もあった。

 キャンペーン「なくそう飲酒運転」は「被害者や加害者、断酒会など多面的な取材ができている」との感想が寄せられた。飲酒運転の根絶に向け、県民と行政、事業者の連携を促す報道の継続を求めた。(加納亜弥)

(2012年9月15日朝刊掲載)

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