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いしぶみに刻む <5> 非核平和都市宣言碑(山口市亀山町) 合併旧市町 思い束ねる

 曲線を抱く七つの白い三角柱は、ハトが群れ飛ぶ姿にも、全体で翼のようにも映る。山口市役所前の生け垣にある「非核平和都市宣言碑」。脇の石版には「鳩(はと)の力強く飛び立つ姿に、山口市民の平和への思いを託した」と記してある。

 長崎原爆の日の8月9日に毎年、平和祈念式が催され、市民が核兵器のない世を願って千羽鶴を供える。「私には、折り鶴のようにも見える」と、山口折鶴の会の事務局長、杉田信夫さん(77)=同市=は受け止める。

 碑は、県工業技術センター(現県産業技術センター)のデザイン部長だった川浪浩さん(84)=同市=が設計した。「もともと市役所の石垣にあった石を磨き、真っ白なハトを表現した。下から見上げるとハトが飛び立つように見えるでしょう」と意図を明かす。

 建立は、2006年12月に市議会が全会一致で非核平和都市宣言案を可決したのがきっかけ。前年に合併した旧1市4町それぞれの「核兵器廃絶宣言」を束ねた。杉田さんは「宣言や碑の設置は要望を重ねて実現できた」と振り返る。

 今夏も約3千羽を碑前に供える。ただ会員の高齢化などで、その数はピークの3分の1ほどに。「会員も年々減っているが、核兵器のない社会は人類共通の願い。若い人にも活動が広がれば」と碑を見つめた。(原未緒)=おわり

(2017年8月9日朝刊掲載)
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