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安全協定 立地県・市並み「困難」 島根原発 3市に中電伝達

 中国電力が、島根原発(松江市鹿島町)30キロ圏の出雲、雲南、安来市に対し、3市から要望を受けた立地自治体並みの原子力安全協定の締結が「困難」とする意向を伝えていたことが20日、分かった。3市は再考を求めており、中電は10月に正式回答する見通し。

 先週末までに担当者が3市に出向き、説明した。原子炉増設時の事前了解やトラブル時の立ち入り調査権など、原発が立地する県、松江市と同等の内容を求めた3市に対し「応じるのは難しい」との考えを伝えた。

 理由として、立地自治体へ最大限配慮する協定の性質から、30キロ圏の自治体を同一に扱えないことなどを挙げたという。

 3市は、国が原発の防災対策重点地域を30キロ圏内に拡大することを受けて8月29日、中電に協定締結を申し入れた。3市とも「事故のリスクがある以上、権利も保障されるべきだ」と主張している。

 中電は「打診したのは事実だが、協定内容を調整中で詳細はコメントできない」としている。3市では唯一、出雲市が昨年12月に中電と安全協定を結んだが、事前了解や立ち入り調査の権限は除かれた。30キロ圏の鳥取県と米子、境港市も同月に締結したが、同様の内容にとどまっている。(樋口浩二)

(2012年9月21日朝刊掲載)

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