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全262戸 新たな米軍施設 岩国 愛宕山住宅エリアが完成

 岩国市の米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転計画に伴い、中国四国防衛局が同市愛宕山地区に整備していた米軍家族住宅エリアが完成した。市民の暮らしの中に生まれた、新たな米軍施設の一端を紹介する。

 岩国基地から西へ約3キロ。「Atago Hills(アタゴ ヒルズ)」と表示された入り口から坂道を抜けた丘陵地に、住宅は整然と立ち並ぶ。防衛局は4日、その一部を市関係者や報道陣に公開した。

 住宅は全262戸で、一戸建てと2戸1棟の3LDK、4LDKの計4タイプがある。いずれも鉄筋2階建てで1戸当たり延べ約140~160平方メートル。1階に台所や居間、2階に風呂場や寝室が配置されている。1戸当たりの建設費は7千万~8千万円という。

 エリア一帯では住宅のほか、野球場やスーパー、集会所なども整備された。今後、日米合同委員会などの手続きを経て国から米軍へ提供され、管理は米側が担う。

 空母艦載機61機の移転に伴い、米軍人や軍属、家族計約3800人も岩国基地へ移る見込み。市は千人前後が同エリアで生活すると推測するが、居住者情報の開示は米軍の判断に委ねられる。防衛局は「居住開始時期の情報が得られれば、地元自治体に知らせる」としている。

 一方、市民の間には米軍関係者の増加による事件事故を懸念する声も根強い。福田良彦市長は「家族住宅の中でもさまざまな日米交流が生まれるのではないかと思う。絆を深めることが犯罪や事故の抑止につながる」と強調する。(松本恭治)

(2017年8月20日朝刊掲載)

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