×

ニュース

米、6回目新型核実験 先月下旬 継続方針示す

 米国が、核兵器の性能を調べる新たなタイプの核実験を8月下旬にしていたことが22日、分かった。同様の核実験は4~6月に5回目を実施していたことが判明したばかり。これで少なくとも6回行われたことになる。米エネルギー省傘下の国家核安全保障局(NNSA)の担当者が中国新聞の取材に答え、今後も核実験を継続する方針を示した。(田中美千子)

 担当者によると、最後に実験したのは8月27日(現地時間)。それまでの5回と同じニューメキシコ州のサンディア国立研究所にある「Zマシン」という装置を使用。強力なエックス線を発生させ、超高温、超高圧の核爆発に近い状況を再現し、プルトニウムの反応をみる。核実験場や爆薬は必要としない。

 担当者は「実験から得たデータでシミュレーションをする。保有する核兵器の安全性や確実性を維持できる」と意義を強調。使用するプルトニウムの量は「1回につき8グラム以下」と説明した。一方、この実験の通算回数などの質問には回答しなかった。

 新たなタイプの核実験は、オバマ大統領就任後の2010年11月に初めて行われた。5回目の実施が明らかになった19日以降、広島県内の自治体は相次いでオバマ大統領宛てに抗議文を送付した。

 新たに判明した8月の核実験に対し、広島市は「事実確認し、対応を検討する」としている。

(2012年9月23日朝刊掲載)

年別アーカイブ