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福山空襲で焼失 天守閣写真発見 昭和10年代か 北西側から撮影

 1945年の福山空襲で焼失する前の福山城天守閣を捉えた、貴重な写真が見つかった。福山市箕島町の会社社長、花山直樹さん(75)が父の遺品から発見。北西側から天守閣を撮影したとみられ、市教委文化財課は「北西から全体像が分かる写真は初めて」とする。

 写真は、父の慈郎さんのアルバムにあった。前後に貼られた写真などから、昭和10年代の撮影と推測される。5層の天守閣西側の白壁や窓、石垣が写っている。珍しい鉄板張りだった北側は、木に覆われているが黒っぽい様子が分かる。

 同課によると、焼失以前の天守閣の写真は複数確認されているが、多くが南側からの撮影。この写真から、西側の窓の数や位置が新たに分かるという。

 慈郎さんはカメラが趣味で、家族や地元の風景によくレンズを向けていた。花山さんは「城の保存に役立ててほしい」と願う。

 市は2022年の築城400年を前に、焼失前の城の資料提供を呼び掛けている。これまで28件の情報が集まり、未確認資料の発見は8件目。「将来的に天守閣の木造再建や外観の改装をする場合、参考となる」とする。(福田彩乃)

(2017年8月31日朝刊掲載)

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