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ゲバラの見た被爆地は 16~24日「広島・キューバ展」 アート・野球交流も紹介

 カリブ海の島国キューバと広島とは浅くない縁がある。キューバ革命の指導者チェ・ゲバラ(1928~67年)の訪問、キューバへ渡った多くの移民、野球交流―。16~24日に広島市中区の旧日本銀行広島支店で開かれる「広島・キューバ展」は、知られざるつながりを多角的に伝える。(鈴木大介)

 展覧会の副題は「チェ・ゲバラの視線を通して」。ことし没後50年を迎えるゲバラ関連の展示がメインとなる。ゲバラは59年7月、新生キューバの革命政府使節団長として広島を訪れた。その時に平和記念公園(中区)で自ら撮影した写真や、原爆慰霊碑の前に立つ姿を中国新聞記者が撮った写真が並ぶ。

 広島から妻に送ったはがきの画像も出展。「平和のために断固闘うにはこの地を訪れるべきだと思う」などとつづる。昨年亡くなったゲバラの盟友、フィデル・カストロ前国家評議会議長が2003年に広島を訪れた際の写真やメッセージも展示する。

 「移民県」と呼ばれた広島だが、キューバへの移民史はあまり知られてこなかった。本展では、1928年に渡った広島市出身の日系1世、故内藤五郎さんを取り上げ、第2次大戦中の親米政権下での強制収容や59年の革命など、時代に翻弄(ほんろう)された生涯を振り返る。

 キューバのアートを紹介するコーナーでは、2009年にあった美術展「ハバナ・ビエンナーレ」の出展作も展示。笠岡市のアーティスト川埜龍三さん(40)の立体「舟が入って来るとき」は、頭に小舟を載せ、愁いを帯びた女性の半身像で、海を渡った移民も連想させる。野球が盛んなキューバの国内リーグや広島東洋カープのキューバ遠征などにも触れる。

 主催する実行委員会の堀江剛史事務局長(42)は「キューバを通じて『外から見た広島』に触れてもらい、国際理解を深める一助になれば」と話す。

<主な関連イベント>
 ◆講演「野球王国キューバの現在」 18日午後2時。講師はキューバ代表チームや国内リーグを撮影する写真家の大星勇樹さん
 ◆キューバ・ビジネスセミナー 20日午後1時半。日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部の中畑貴雄さんが「キューバ政治・経済概況とビジネス機会」と題して話す。先着40人。19日までに申し込む。ジェトロ広島☎082(535)2511
 ◆トークショー「ラテン音楽のルーツ、キューバ音楽を語る」 23日午後2時。音楽ジャーナリストの竹村淳さんや批評家の東琢磨さんらが出演。キューバ音楽のライブや楽器紹介も
 ※以上はいずれも会場の旧日本銀行広島支店で
 ◆「広島ラテンRevolucion! キューバ音楽&ダンスFestival」 24日午後2時、広島市南区のブルーライブ広島。広島学院ジャズ・オーケストラや、キューバ音楽を演奏する日本人デュオ「ドス・ソネス・デ・コラソネス」などが出演。一般3千円(前売り2500円)、中高生2千円(同1500円)。ブルーライブ広島☎082(250)5522

21~24日 キューバ映画特集 広島市映像文化ライブラリー

 広島市映像文化ライブラリー(中区)は21~24日、「広島・キューバ展」との連携企画として「キューバ映画特集」を開く。

 同国の映画界を代表するフェルナンド・ペレス監督の初長編作で、革命闘争に身を投じた若者の青春を描く「危険に生きて」(1987年)や、野球のスター選手の人生をつづる「フルカウント」(85年、ローランド・ディアス監督)など、50~80年代に製作された計7本を上映する。

 大人510円、65歳以上と高校生250円、小・中学生無料。同ライブラリー☎082(223)3525。上映日時、作品は次の通り。

 21日午後2、6時=革命初期の記録映画「われらの土地」(59年)など短編4本▽22日午後2時、6時半=キューバの撮影隊がベトナム戦争を撮った記録映画「第三世界・第三次世界大戦」(70年)▽23日午前10時半、午後2時=「フルカウント」▽24日午前10時半、午後2時=「危険に生きて」

(2017年9月13日朝刊掲載)
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