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「日本 戦争する国に」65% 被団協意識調査 被爆者懸念浮き彫り

 日本被団協は11日、全国の被爆者を対象に2015年に実施した意識調査の結果を公表した。気に掛かることとして「戦争する国になるのでは」「自分の健康」と答えた人が共に6割を超え、被爆者が抱える危機意識が浮かび上がった。

 「心にかかっていること」(複数回答)の質問に「日本がまた戦争する国になるのではないか」を選んだ人が65%と最も多かった。続いて「自分の健康」が64%、「子や孫の健康」は55%。「また核兵器が使われるのではないか」との回答も54%と半数を超えた。

 「政府に求めたいこと」(同)の問いには「憲法9条厳守」が最多の77%。「核兵器廃絶」(72%)、「被爆の実相を調査し世界に広める」(68%)が続いた。

 自由記述欄では、自身の壮絶な体験や平和を願う思いを記した人が多かった。

 調査は「被爆者として言い残したいこと」と題し、NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)と共同で15年8~9月に実施。7項目の調査票を約1万世帯に送り、706人から有効回答を得た。

 戦争への危惧などが目立った調査結果について両団体は、調査時期に安全保障関連法が成立した影響があるとみている。調査結果は冊子にし、インターネット上での公開も検討する。

 結果はこの日、被団協が東京都内で開いた全国都道府県代表者会議で報告した。会議では、核兵器禁止条約制定を受けて今後の運動について討議。田中熙巳(てるみ)代表委員(85)はあいさつで、ノーベル平和賞受賞が決まった核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))について「私たちがつくり上げた運動を後押ししてくれた」と評価した。その上で「今からが大事。核被害の体験を伝え、条約に署名する国を増やそう」と訴えた。(田中美千子)

(2017年10月12日朝刊掲載)
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