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丸木美術館に谷本清平和賞 国内外へ核廃絶発信

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センター(広島市佐伯区、鶴衛理事長)は12日、ことしの谷本清平和賞に埼玉県東松山市の公益財団法人「原爆の図丸木美術館」を選んだと発表した。美術館活動を通じ、国内外へ核兵器廃絶と恒久平和の実現を発信し続けている点を評価した。

 1967年に同館を開館。広島市安佐北区出身の画家丸木位里さん(01~95年)と、妻の俊さん(12~2000年)が、原爆投下の数日後に広島入りした体験を基に共同制作した連作「原爆の図」を中心に所蔵、公開している。

 原爆の図の展覧会を国内各地のほか、15年に米国、16年にはドイツ・ミュンヘンで開催。毎年8月6日には同館で「ひろしま忌」として、平和を訴える集いを開いている。

 同法人の小寺隆幸代表理事は受賞決定を感謝し、「これからも芸術を通して人々の想像力に訴え、命の視線から核を問い続けていく」とのコメントを発表した。贈呈式は11月12日、広島工業大広島校舎(中区)である。

 同賞は被爆者支援に尽くした広島流川教会(同)の故谷本清牧師の遺志を継ぎ、87年に創設した。世界平和の実現に向けて活動する団体や個人に贈られている。(城戸良彰)

(2017年10月13日朝刊掲載)

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