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原爆資料館 被爆資料 貸与を検討 オスロのノーベル平和賞紹介施設へ 

 原爆資料館(広島市中区)が、ノルウェー・オスロにあるノーベル平和センターへの被爆資料の貸し出しについて検討を始めたことが24日、分かった。今年のノーベル平和賞に決まった国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン))の功績を紹介する展示向けにセンター側から打診された。展示環境などを見極め、前向きに対応する方針。

 複数の関係者によると、センター側の仲介者を通じて19日に被爆資料の貸与について依頼があった。オスロで授賞式典がある12月10日までに展示を始めたい意向という。資料館は、原爆の犠牲者の遺品など、核兵器がもたらす人間への被害が伝わる資料を念頭に、現地の展示環境や期間を確認した上で選定作業に入る。

 平和センターは2005年に開館。ノーベル平和賞受賞者の活動などを紹介している。資料館所蔵の資料が展示されたことはなく、志賀賢治館長は「あの日を伝える貴重な資料を見ていただく機会となり、ありがたい。実現に向けて努力したい」と話している。

 ICANは、広島、長崎の被爆者や市民団体と連携して核兵器の非人道性を発信し、廃絶を訴えてきた。ノルウェーのノーベル賞委員会は今月6日の授賞発表時に、7月の核兵器禁止条約の制定へ「革新的な努力」を尽くしたと評価した。(野田華奈子)

(2017年10月25日朝刊掲載)

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