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東京の原爆慰霊碑移設 平和行政進める葛飾区へ 東友会

 東京都の原爆被害者の団体、一般社団法人東友会が品川区の東海寺に45年前に建立した「原爆犠牲者慰霊碑」を葛飾区立青戸平和公園に移し、7日除幕した。碑前で「追悼のつどい」が営まれ、参列者は核兵器廃絶への思いを新たにした。

 鶴が翼を広げた姿を模した万成石の碑は、高さが中央部で約2メートル、幅約3メートル。「われら生命(いのち)もて ここに証(あか)す 原爆許すまじ」と刻み、台座に広島、長崎の被爆石が埋め込まれている。

 被爆者が身近に参拝できる場所として、1965年に関係者のつてで東海寺に木碑を建立し、67年に石碑を建てた。公共の場所への設置を求める声があり、被爆者が高齢化する中で移設先探しを急ぎ、平和行政を進める葛飾区が受け入れた。移設費約450万円は国と都が計4分の3を補助した。

 48回目の慰霊行事となる「つどい」も今回から都の委託事業として開いた。約250人を前に、飯田マリ子代表理事(81)は碑の移設に感謝し「核兵器を世界から一日も早くなくそう」とあいさつ。参列者が折り鶴を手向けた。(岡田浩平)

(2012年10月8日朝刊掲載)

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