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[変わる岩国基地] 愛宕山施設 どう共用 まず野球場エリア 4日オープン

 岩国市愛宕山地区の野球場エリアが4日にオープンし、米軍と市民による共同使用が始まる。一帯は米海兵隊岩国基地(同市)への空母艦載機移転計画に伴い、米軍に提供された区域。運営や事件発生時の対応はどうなるのか―。疑問点を整理した。(松本恭治、坂本顕)

運営・維持管理

日米 年1億円ずつ負担

 エリアは市都市公園に位置付けられ、市が施設の保安、立ち入り管理を含め運営全般の責任を負う。主要施設(野球場とソフトボール場)の光熱水費は市と基地が1年間は平等に負担。その後は利用状況をみて負担割合を見直す予定だ。

 維持管理費は、整備中の陸上競技場などを含む運動施設エリア全体で年2億円程度と見込まれ、日米で約1億円ずつ負担する。野球場エリアでは、野球場と付帯施設を市、ソフトボール場やバーベキュー施設については米側が払う。市は使用料収入や国の交付金を充て、一般財源の持ち出しは「実質ゼロ」とする。

事件対応

米の同意なく逮捕可能

 エリアは米軍の管轄権が及ぶが、米軍人や軍属が事件を起こした場合、岩国署は米側の同意がなくても逮捕できる。

 これは米軍の憲兵隊事務所がなく、パトロールの予定もないため、「米軍が警備している米軍使用施設・区域での逮捕は米軍の同意が必要」と定める日米地位協定に伴う刑事特別法(刑特法)の10条が適用されないためだ。

 同署は「基本的には基地外と同様に警察権を行使できる区域」と説明。ただし、憲兵が現場に駆け付けて先に身柄を取り押さえた場合、引き渡しを受けるには米側の同意が必要となる。

米側との関係

協定の全容は公開せず

 運動施設エリアの名称は「愛宕スポーツコンプレックス」で、米側の意向で決まったという。野球場などについて市は市民から使用料を徴収する一方、米軍関係者は無料だ。一般の利用予約については日米の優先権などはなく、申請順で受け付ける。日米双方がエリア内での政治的活動を禁じられる。

 市と基地は10月、共同使用に関する現地実施協定を締結した。市はその概要版を公表したものの、全容の開示は同意を得られなかったという。市は「概要版で運用ルールのほぼ全てを網羅している。何かを隠している認識はない」と説明するが、市議会には全容が開示されない点を問題視する声もある。

(2017年11月2日朝刊掲載)
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