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宇宙ごみ 山陽小野田で監視 海自受信所跡地 防衛省、レーダー設置へ

 防衛省が、宇宙ごみや不審な人工衛星などを監視するレーダー施設について、山陽小野田市への設置を計画している。海上自衛隊岩国基地(岩国市)の山陽受信所跡地に建設し、航空自衛隊が2023年度からの運用開始を予定。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や米軍と情報共有し、24時間体制で宇宙空間を監視する。

 宇宙ごみは役割を終えたり、故障したりした人工衛星やロケットなど。高速で地球の周りを飛び、通信や放送に使う衛星と衝突する被害が懸念されるという。

 こうした状況を受け、空自がJAXAや米軍と連携し、監視レーダーで把握した宇宙ごみの情報を共有。人工衛星の軌道修正などに役立てる。さらに不審な衛星への監視網を強める狙いもある。同省は18年度予算の概算要求で関連経費44億円を計上している。

 中国四国防衛局によると、山陽受信所は1994年5月、海自岩国基地に配備されたP3C対潜哨戒機の受信施設として開設。ただ、関連施設の統廃合を受け、10年3月以降は跡地(約13万4千平方メートル)は更地となっていた。

 周辺に山や高い建物が少なくレーダー性能を発揮できることなどから、同省が建設予定地に選定。21日に山陽小野田市で住民説明会を開く。防衛局は「総合的に検討し、適地と判断した。説明会で住民側に理解を求めたい」としている。(和多正憲)

(2017年11月9日朝刊掲載)

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