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反核の作詞者 廃絶願い歌声 平和公園

 旧ソ連で最大の核実験場があった中央アジアのカザフスタンで、核実験反対運動の象徴となった歌「ザマナイ」を作詞したウリクベク・イエスドレトさん(63)が15日、広島市中区の平和記念公園を訪れた。「核被害を受けた両国が連携し、廃絶の願いを広げたい」と歌声を響かせた。

 イエスドレトさんは同国の元国会議員たち計5人で、原爆資料館や原爆ドームを見学。原爆慰霊碑前で、核実験の被曝(ひばく)者支援に取り組む市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」のメンバーたちとザマナイを合唱した。

 ザマナイは現地の言葉で「ああ、時代よ」を意味する。哀愁を帯びた旋律で、被曝者や古里を追われた人々の悲しみを表現。1989年から本格化した核実験反対運動の象徴として広く歌われている。

 イエスドレトさんの故郷のセミパラチンスク市(現セメイ市)では、450回を超す核実験で150万人以上が健康被害を受けたという。「歌声で記憶を継承したい」と力を込めた。(栾暁雨)

(2017年11月16日朝刊掲載)

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