×

ニュース

民放連賞最優秀のラジオ番組 内部被曝 生の声発信

 中国放送(RCC)のラジオ番組「核と向き合う~ヒロシマからフクシマ~」が、平成24年日本民間放送連盟賞のラジオ教養部門最優秀に決まった。11月10日午後4時から再放送される。

 番組は昨年8月6日朝、平和記念式典の中継も交えて2時間生放送した。ゲストは長年被爆者に寄り添ってきた医師肥田舜太郎さんと内部被曝(ひばく)の危険性を訴え続ける物理学者矢ケ崎克馬さん。福島第1原発事故で福島から子どもを連れて広島市に避難してきた母親の不安にも率直に答えた。

 制作した岡本幸ディレクター(38)は以前、原爆症認定訴訟を取材して「内部被曝が過去のものでなく、今も被爆者の体をむしばみ続けていることに衝撃を受けた。その訴えが国に届かない現実にも憤りを感じた」。

 福島の事故でも「直ちに影響はない」と繰り返す国に不信感が募り「本当はどうなのか、8・6の広島の朝にこそ信頼できる専門家の生の言葉を聞きたいと思った」と話す。

 再放送は1時間に編集。岡本さんは「フクシマを経験した日本で、内部被曝を自分自身の問題として考えてほしい」と訴える。

(2012年10月27日朝刊掲載)

年別アーカイブ