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戦時の呉 歩いてイメージ 「この世界の片隅に」 アニメ監督ら取材

 戦時中の呉市を舞台にした漫画家こうの史代さん=広島市西区出身=の作品「この世界の片隅に」のアニメ映画を制作する片渕須直監督(52)=東京=たちが呉市を訪問し、2日まで市内各地を取材した。作品に出てくる町などを歩き、映像イメージを膨らませた。

 作品は太平洋戦争末期に軍港都市、呉へ嫁いだ主人公を通し、戦時中の市民生活を描いている。片渕監督とスタッフ6人は10月30日に呉入り。資料や写真を携え市内を巡った。

 上長迫町の高台から市街地や町を取り囲む山の形をチェック。二河公園(二河町)では花見のシーンを想定し、桜の木の位置や並び具合を確認した。主人公が結婚前に住んでいた広島市にも足を運んだ。

 片渕監督は「作品の世界を皮膚感覚で伝えたいと、船の上で肌に当たる風の感覚も確かめた。本当にあった物語だと観客に感じてもらえる映画にしたい」と意気込みを語った。

 これまで10回程度呉市を訪れ、今回が制作に入る前の最後の訪問になるという。映画は2014年の公開を目指している。(加田智之)

(2012年11月3日朝刊掲載)

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