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伊方原発訴訟 事故のリスク踏まえ判断を 江田島の原告陳述

 広島県内の被爆者たち41人が四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止めを求めて追加提訴した訴訟の第1回口頭弁論が31日、広島地裁であった。四国電力は請求棄却を求めた。

 原告の一人、江田島市の山下徹さん(67)が意見陳述。「伊方原発で事故が起これば瀬戸内海は死の海になり、島しょ部や沿岸部の人々の生活が破壊される」と主張。事故のリスクを認識して、立地や再稼働の是非を判断してほしいと訴えた。

 この日は、既に審理が進んでいる原告66人の訴訟の口頭弁論もあり、今回の原告41人も併合されて審理。原告側は準備書面で、伊方原発の上空は米軍機や自衛隊機が頻繁に行き交うルートと指摘。「航空機落下の確率を低く見積もり、考慮していない」とし、テロ攻撃への対策も十分できていないと訴えた。

 伊方原発を巡っては、広島高裁が昨年12月、3号機の運転差し止めの仮処分決定をした。四電は決定を不服として、決定取り消しを求める保全異議と一時的に効力を止める執行停止を同高裁に申し立てている。

(2018年2月1日朝刊掲載)

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