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[イワクニ 地域と米軍基地] 米軍機整備不足 常態化か 事故・トラブル続発

 沖縄県内で米海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)に所属する航空機の事故やトラブルが相次いでいる。県側が原因究明や飛行中止を繰り返し求めているにもかかわらず、米軍は直後に同型機の飛行を再開。地元は反発を強めている。米国内には、岩国基地(岩国市)にも駐留する海兵隊の全体の予算不足により、機体の老朽化や整備不足が常態化しているとの指摘もある。(明知隼二)

 2016年12月、輸送機オスプレイが名護市沖の浅瀬に不時着し大破。それから今年1月までの1年余りの間、県内での同飛行場所属機の主な事故・トラブルは11件。1月にはヘリコプターの不時着が3件相次いだ。

 こうした事態に県と県内26市町村は1月24日、在日米軍や日本政府に緊急要請。「強い憤りを禁じ得ない」とし、全ての米軍機の飛行中止と緊急点検、事故原因の徹底究明を求めた。

 県側は、緊急要請の前にも事故が起きるたび、同様の内容を求めてきた。しかし、米軍は安全確認のため同型機の飛行を見合わせても、「構造上の問題はなかった」などとして短期間での飛行再開を繰り返してきた。この1年余りの間、最も長く飛行を見合わせたケースでも7日後には再開した。

 11件の中には深刻な事故もあった。16年12月のオスプレイ大破事故と、17年10月に大型輸送ヘリが不時着、炎上した事故の2件は、米海軍安全センターが事故の深刻度を示す4分類のうち最も重大な「クラスA」と判断した。

 沖縄県基地対策課の金城典和参事は「安全を確認したと飛行を再開した後も現に事故が続いている。米軍の対応は納得できない」と語気を強める。

 普天間飛行場所属機の事故やトラブルは沖縄県外でも相次いでいる。昨年8月、オーストラリア沖で訓練中のオスプレイが墜落し、海兵隊員3人が死亡。同月には岩国基地から普天間に向かったオスプレイが大分空港に緊急着陸した。

 また昨年11月には、岩国に移転予定だった米海軍の空母艦載機、C2輸送機が東京・沖ノ鳥島沖で墜落した。

 続発するトラブルに、任務増加や人員不足を指摘する声がある。海兵隊幹部は昨年、米議会公聴会で「十分訓練された搭乗員が不足している」と発言した。

 米有力シンクタンク「ヘリテージ財団」は昨年10月の調査報告書で、海兵隊の予算不足により航空機の老朽化や整備不足、訓練用機体の不足が常態化していると強調。「人や機械に起因する事故リスクが高まりかねない」と警鐘を鳴らした。

 琉球大の島袋純教授(政治学)は「米軍が抜本的な対策を講じない限り、沖縄で起きている事故は全国どこででも起こり得る」と指摘する。

(2018年2月3日朝刊掲載)
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