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国際会議場 禁煙か分煙か 平和公園 4月から屋外全面禁止 広島市、来月にも結論

 広島市中区の平和記念公園の屋外が4月1日から全面禁煙になる。市の改正条例が施行されるためで、市は園内の灰皿や喫煙ブースを3月末までに撤去する方針。広島国際会議場の敷地内で、屋外にある灰皿も例外扱いしない。ただ、会議などでの来場者には愛煙家がおり、会議場内に新たな喫煙所を設けるか、受動喫煙防止を重視して屋内も全面禁煙とするか、頭を悩ませている。(渡辺裕明)

 市は「市ぽい捨て等防止条例」で、同公園を含む市中心部約3・1平方キロを喫煙制限区域として屋外の公共の場所での喫煙を禁じている。一方で、灰皿などがある場所は規制から除外してきたが、同公園は「観光地であり、市民の憩いの場」などとして、2016年9月の市議会定例会で議員提案があり、改正条例が成立。園内は灰皿の有無にかかわらず屋外全面禁煙になると決まった。吸えば千円の過料が徴収される。

 4月からの改正条例施行に合わせ、市は植え込みの間などにある灰皿3基と、原爆資料館東館南側の喫煙ブース1カ所を撤去する。これとは別に園内にある広島国際会議場の敷地内には、外階段の踊り場や職員や関係者の通用口前に灰皿計3基を置いているが、所管する市国際交流課は「屋外」にあるとみなして灰皿を撤去する方針だ。

 ただ、同会議場はホールや会議室を貸し出しており、16年度の利用実績はコンサートや会議など2512件あった。市によると、「喫煙場所のあるなしは、国際会議の誘致にも響いてくる」と心配する声が関係者から出ている。かつては利用者の希望で、宴会開催時などに屋内で吸える時期もあったという。

 条例の対象外となる屋内に新たな喫煙スペースを設けるとなると、場所を確保し、設備を整える必要がある。同課は「新たに造るかも含めて検討している。ただ受動喫煙のこともあるし…」。3月中旬ごろまでに結論を出したい考えだ。

(2018年2月23日朝刊掲載)

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