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被爆ピアノ 平和の調べ 萩原麻未 東京で演奏

 原爆のため19歳で亡くなった広島の女子学生、河本明子さんの遺品の被爆ピアノの演奏会が8日、東京都墨田区のすみだトリフォニーホールであった。広島市出身のピアニストで被爆3世の萩原麻未が、平和への思いを込めて名曲を奏でた。

 広島交響楽団が同ホールと共催した平和祈念コンサートの一環。広響の本公演前に演奏があり、約130人の墨田区民らが訪れた。

 萩原は、明子さんが好きだったというショパン「ノクターン」をはじめ、広響のコンサートマスター佐久間聡一との協演などで5曲を披露。墨田区の高校3年茨(いばら)由梨さん(18)は「日だまりのような音色に、生前の明子さんの人柄が伝わってくるようだった」と語った。

 広響の公演は下野竜也音楽総監督が指揮し、メゾソプラノ歌手藤村実穂子との協演でマーラー「亡き子をしのぶ歌」など4曲を披露。東京大空襲で大きな被害を出した墨田区の人々と、鎮魂の思いを共有した。(西村文)

(2018年3月9日朝刊掲載)

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