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[イワクニ 地域と米軍基地] 給油部品付けたまま飛行 艦載機1機 部品落下の恐れも

 米軍岩国基地(岩国市)所属の空母艦載機1機が1日、空中給油機の部品の一部を機体に付けたまま飛行し、同基地に着陸していたことが2日、分かった。部品は給油ホースの先端部分で、海上で空中給油した際、何らかの原因で外れたとみられる。基地報道部は「安全に着陸し、部品の欠落もなかった」と説明する。専門家は「艦載機から部品が落下する可能性があった」と指摘している。

 目撃者によると、1日午後2時20分ごろ、FA18スーパーホーネット戦闘攻撃機が、機首右側に部品を付けたまま着陸。同機は誘導路上で停止し、駐機場方向にけん引された。

 空中給油機は、上空で戦闘機などにホースを接続して燃料を補給する。部品はホース先端部分で、戦闘機などの給油口と接続する役割がある。本来、給油後には給油機に収容される。同部によると、今回、海上で給油した際、部品がホースから外れ、スーパーホーネットの給油口に取りついたままになった。同機は事故を避けるため「予防着陸」したという。

 同部は、給油地点については明らかにしていない。「機体に損傷はなく、給油システムを構成する部品も全て確認し、欠落はなかった」としている。

 軍事評論家の稲垣治氏は「珍しいトラブル。飛行中に艦載機から部品が落下したり、給油口から燃料が吹き出したりする恐れもあった。大事故に至らなかったのが不幸中の幸い」と話している。(藤田智、和多正憲)

(2018年5月3日朝刊掲載)

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