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防衛省、山口県に近く説明 地上イージス 配備検討 秋田にも 年度内に現地調査

 北朝鮮への弾道ミサイル防衛(BMD)の一環で、国が検討する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備を巡り、防衛省は14日、山口県と秋田県に近く地元説明する意向を伝えた。萩市の陸上自衛隊むつみ演習場と秋田市の国内2カ所を候補地に予定しており、本年度中に現地調査へ入る方針だ。(和多正憲)

 山口県にはこの日、中国四国防衛局から「イージス・アショアについて説明したい」と連絡があった。同県は萩市と阿武町にも内容を伝達。村岡嗣政知事と藤道健二萩市長らが、近く防衛省関係者と面会する方向で日程調整を進める。秋田県にも同日、東北防衛局から同様の連絡があった。

 一方、中国四国防衛局は中国新聞の取材に対し現時点で配備先は未定とした上で「候補地になると考えられる山口県など地元自治体に説明の日程確認で接触している。具体的な詳細は差し控えたい」としている。

 防衛省が自治体側に地元説明の意向を伝えたのは今回が初めて。政府は昨年12月、具体的な候補地を示さないまま計2基の導入を閣議決定。2018年度予算で地質測量調査費などを盛り込んでいた。23年度からの運用開始を目指す。

 弾道ミサイル防衛は現在、イージス艦搭載の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で迎撃し、撃ち損じた場合、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が地上から狙う二段構え。イージス・アショア導入で迎撃態勢に厚みが増すとされる。

 両県での地元説明を巡っては、朝鮮半島情勢の変化を踏まえ配備に慎重な声が出ることも予想される。

(2018年5月15日朝刊掲載)

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